銀座で鮨を食らうオンナは色気を纏う

念願のSexy Zone冠番組が始まって早2ヶ月。

6/26以降の放送日は決まってないけど、待つ楽しみが増えたというか。

楽しみが先延ばしになるのは悪いことじゃないよね☺️!!(超ポジティブシンキング)



記念すべき
1回目の話。


よく行く「銀座」という既視感アリアリの街のど真ん中で、新規のため肉眼で見たことのないせくしーたちの姿が。夢か現実か分からない不思議な感覚。

リアルな場所にいると余計にせくしーたちの顔とスタイルが良いことが強調されていて。

わ、わたし、この人たちを好きになってしまって、地に足をつけて生きていけるのだろうか…と不安にさえなる。


そんな銀座×せくしー×お鮨

ナチュラルにダンディな食べ方をしている勝利
これでもかというほどせくしーにお鮨を食べるケント
仕入れてきたうんちくを果敢に話すふうまくん
釣りに誘い出そうとするマリウス

ぜんぶサイコーでしたね。




でね、そんなザギンでシースー食ってるせくしーたちを観て一緒に湧いた全セクラバさんに読んでほしい本があるんです。(我ながらものすごい角度からの導入)

それがこちら。

その手をにぎりたい (小学館文庫)

その手をにぎりたい (小学館文庫)


この本。

わたしは柚木麻子さんがとても大好きで、ほとんど柚木さんの小説は読了しているんですが、この本が柚木さんと最初の出会いにして、柚木さんワールドにハマっていったきっかけでもあります。


柚木さんの小説って、女性が常に中心にいて、女のいやなエグみや嫉妬を描いているもの、カッコよさ・潔さ・美しさを描いているもの、女同士の関係を描いているもの…などなどどれも魅力的なんですが、この「その手をにぎりたい」は、なんとも女らしく、強く、しなやか。そして色気が光る小説だと思っています。


タイトルの「その手をにぎりたい」も、「あなたの手をにぎりたい」っていう意味と、お鮨屋さんを舞台にした小説ってことをたったの9文字で表していて、くはあ、やられたあ、なんて思っちゃうわけです。



そして、これ。


章がぜんぶお鮨の名前。

これだけでわたしは、たまらなくワクワクしちゃいます。


読み進めていくとわかるんですが、これ、日付まで書いてあるのも意味があって、ちょうどその季節に旬のものだったり、必ずそのお鮨にまつわるストーリーが展開されています。


さらに自然と、なんとなくお鮨屋さんでの立ち居振る舞いがわかってきます。一流のお鮨屋さんの雰囲気も伝わってきます。


個人的には、お鮨のマナーやお鮨屋さんでのしきたりって、そのまま色気に直結する気がしていて。


知っていなくても人生は歩んでいけるし、お鮨はオススメで頼めば問題ない。


でも、勉強して、限りある時間のなかで自分で稼いで、そのお金で誰にも邪魔されずにお鮨を食べる。


特別な時間だからこそ、しゃんと背筋は伸びるし、清潔で、自分もベストな状態で挑みたいって思うし。


その瞬間を目指して時間をかけるといってしまうと大袈裟なのかもしれないけれど、そうやってわたしたちはきっと何かのために時間をかけて生きてる。

“この時が止まったような静かな銀座の夜、それぞれが大切な時間を交換する行為は、食事を超えた何かに思えた。”


時間を使うって、そっくりそのまま命を削ることだと思っているんだけど、そうして何かを犠牲にして、何かに変えて、その変えたもので人生の楽しみ方を知ってる人って、素直で無邪気。だけど色っぽい。



その瞬間のためだけに生きて、働いて、という刹那的なものほど、ただただ美しく感じてしまいます。


 





そして、この本の色気の正体は、ピュアさの裏側にもあると思っています。

“芸術品のような鮨が手から手へと渡る瞬間、好きな男と肌がふれあう。”

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“手のひらから鮨を受け取りながら、このカウンターで二人は時間を交換してきたのだ、と気付く。”


本当に好きな男の人とは、何年経っても手が触れ合う、ただそれだけでいろんな思考を巡らせるし、ほんのたった指先の何センチかのつながりに全集中を傾けたりして。


いい大人になっても、好きなのに言葉では伝えられない。
カウンター1枚で職人とお客を分ける、その距離感が、すべてのバランスを保っている感じ。


そんなもどかしさと純真さが、バブル期の女性がバリバリ活躍し出す、その渦中にいてまさに、時代の象徴のように昇進していく主人公・青子の「ある種の女性のケモノ感」と対比されていて、愛おしく思えてきて、とても胸がきゅうん、とします。





すべての章の最後は「サビ」という章で終わりを迎えます。



その「サビ」章を読むためだけに、その前のすべての章があると確信するくらい、「サビ」章の余韻と、哀しさと、温かさがたまらないんです。



ぜひその前の章までの想いをたっぷり抱えた状態で、最後の「サビ」章を読む高揚感を味わってもらいたいです。






わたしにとって「その手をにぎりたい」は、色気を纏いたいとき、仕事を頑張りたいときに読みたい本。


いつまでも手元に置いて、ついついくり返し読みたくなる、そんな大切な本です。